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【広報担当の気になる】PR TIMESのプレスリリースって毎日どれくらい投稿されているの?

【広報担当の気になる】PR TIMESのプレスリリースって毎日どれくらい投稿されているの?

2025年09月11日 11:05

PR TIMESのプレスリリースって毎日どれくらい投稿されているの?



企業広報担当をやっていた時は要所でPR TIMESを活用していた。

もちろん多くのメディアで取り上げてもらいたいという狙いがあったが、PR TIMESを調べれば調べるほど情報が膨大で、最近の投稿数がとても増えているような気がして、PR TIMESの1日あたりの投稿数ってどれくらいなんだろう?と思い、調べてみた。

2024年1月1日から10月31日までの10ヶ月間のプレスリリース総数は


328,938 件


この数値を基に平均値を算出すると、

月間では 約32,900件
1日あたりで 約1,100本。


1日1,100本!!!?


1,100分の1を記者の方々は見つけられるの?


参考
「新規性の不足」が最多理由に PR TIMESプレスリリース審査レポート2024
prtimes.jp/main/html/rd/p/000001487.000000112.html


他の資料でも月間配信数は「34,000本超」あるいは「35,000本超」と報告されており 、企業の広報活動が平日に集中する実態を考慮すると、活動の活発な日にはこの平均値を大幅に上回るリリースが配信されていると推定できる。


プラットフォームとしての加速と価値

PR TIMESの投稿数は、一貫して力強い増加傾向にある。2022年時点の月間「26,000本超」 から、2024年には月間平均約33,000〜35,000本へと飛躍的に増加している。この事実は、高水準の配信量が継続的に維持・拡大されてきたことを裏付けており、プラットフォームの活動量が加速し続けていることを示している。そして各企業が発信することに対して、宣伝と広報を交えながら発信する意識も高くなっている。

投稿数を支える料金体系

この投稿量の多さは、同社の料金体系にある。「定額プラン」は、1ヶ月30件までの配信を可能とし、追加料金を支払うことで同月内の配信数が無制限となるオプションが用意されている。この価格設定は、企業がプレスリリースを配信する際の心理的・経済的な障壁を取り払い、高頻度の情報発信を促進する。つまりPR TIMESの投稿量の多さは、単に多くのクライアントを抱えている結果ではなく、配信量を最大化するように戦略的に設計されたビジネスモデルの成果でもある。

質か量か

私たちが1本のプレスリリースを配信するとき、その日だけで他に1,000本以上の情報が世に出ている。この事実は、広報担当者として身の引き締まる思い。この膨大な情報量の中で、いかにして私たちの声を見つけてもらうか。その難しさと重要性を改めて痛感させられた。

この情報洪水の中では、単に量をこなすだけでは、誰の目にも留まらずに埋もれてしまう 。ニュース価値のないリリースを頻繁に発信することは、むしろメディアからの信頼を損なうリスクさえある。

ここで言う「質」とは、単に文章が美しいということではなく、メディアが「これはニュースとして取り上げたい」と感じる価値「ニュースバリュー」があるかどうか。

具体的には、以下のような要素が「質」を構成する。
色々なメディア勉強会に参加しても、同様のことを話されるでしょう。

  • 社会性・時事性: 今、世の中が関心を持っているトレンドや社会課題と自社の取り組みを結びつける視点

  • 客観性と具体性: 「すごい」「画期的」といった形容詞ではなく、具体的な数字やデータで事実を示すこと

  • ストーリー性: 製品やサービスの背景にある開発秘話や担当者の想いなど、人の心を動かす物語

  • 独自性と意外性: 「業界初」の試みや、常識を覆すようなユニークな取り組み


そこで会社としての戦略

これらの考察を踏まえ、取るべき戦略は、フェーズによって重点を使い分けるハイブリッド型だと考える。

1.土台作りのフェーズ

「質を意識した量」を追求する

まずは、社内のあらゆる活動にアンテナを張り、「何かネタはないか」と常に考える文化を醸成します 。そして、失敗を恐れずに発信の量を増やし、経験を積むことが重要。ただどんな小さな情報でも、必ず社会との接点やニュースバリューを意識する「質へのこだわり」は持ち続ける。

2.成果最大化のフェーズ

「量を担保した質」を追求する

ある程度の発信リズムとメディアリレーションが構築できたら、一本一本のプレスの質を最大化することに注力する。一つのリリースに対して、より深くデータを分析し、魅力的なビジュアルを用意し、最適なストーリーを練る。重要な情報であれば、一度にすべてを発信するのではなく、プロジェクトの進捗に合わせて複数回に分けて戦略的に配信することも有効。


結論

「質か量か」という二者択一ではなく、「量をこなすことで質を学び、質を高めることで量の価値を最大化する」という循環的な成長を目指すべき。1日に1,100本もの情報が発信されるプラットフォームの中で、御社のPRが多くのメディアに取り上げられると良いですね!